減量と筋力トレーニング               (2011/11/27掲載)

 USCPA(米国公認会計士)資格取得のため、自分の自由になる時間の多くをその学習にあてる生活が2年近く続いておりました。その間、ほとんど運動をすることもなく、そのせいで体重が75kgをオーバーし(身長は178cmです)、メタボリックシンドローム予備軍になっておりました。2008年に69kgまで減量をしたことがあるのですが、見事にリバウンドしていたわけです。7月初旬、USCPA試験の最後の科目の合格通知を受け取ったのを契機に、たるみきった体を引き締め、メタボ脱却を図ることにしました。

減量手段

 体重を減量するにはインプット(食事)を減らし、アウトプット(カロリー消費)を増やすのが基本であることは、言うまでもありません。

 まず、インプットですが、意図的には三度の食事の量や質を変更するようなことはしておりません。食事は食べ物を口に入れたら最低15回は咀嚼するようにすると、満腹感が早く表れるのだそうです。これを励行しておりましたが、結果的に食事の量が10%程度減少したように感じます。また、毎日ではありませんが、寝る前にスナック菓子やナッツ類、チーズなどの高カロリーなつまみを肴に、ワインやウィスキーを飲みながら、音楽DVDを楽しんでおりました。減量中はこのつまみとアルコール類の摂取を我慢しておりました。

 次にアウトプットですが、2008年の減量時は速足のウォーキングにより行ない、成功しておりましたので、今回もこの手を使いました(電動ウォーカー利用)。このときは、5.0km/hで歩き始め、10分ごとに0.2km/hずつ速度を高めて、最後の10分間は6.0km/hで歩くというパターンで1時間歩いておりました。歩き終わった後は、かなり息がはずみ、相当疲れる運動でした。減量を始めたころ、NHKの「ためしてガッテン」で、脈拍が100回/分程度になる運動が、内臓脂肪を燃焼させるのに最適であることを知りました。脈拍が100回/分を上回っても下回っても減量効果は落ちるのだそうです。この程度の脈拍では口で息をすることもなく、有酸素運動になっているのか疑問でしたが、結果的にその効果は絶大でした。私の場合は試行錯誤の結果、時速4.8kmでのウォーキングとなりましたが、この程度の強度の運動は楽ですので、長続きすることにもなったと思います。

 ウォーキングの継続時間ですが、20分間程度のウォーキングでは体内のグリコーゲン(糖質)が燃焼するだけであり、内臓脂肪や皮下脂肪の燃焼までには至りません。従いまして、減量目的の場合、少なくともそれ以上の時間、ウォーキングを継続する必要があります。私は1時間のウォーキングをほぼ毎日行いました。

ウォーキングの成果

 体重が75kgあった7月中旬から始めて、10月末には66kgまでの減量に成功しました。体重の変化は一定割合で減っていったのではなく、時々停滞期があり、66kgになった後はそれ以上なかなか減らなくなりました。腹部全体がかなりへこみましたので、おそらく内臓脂肪がほとんどなくなった結果だと思います。いままで着用していたズボンがブカブカになってしまい、体重の少なかったころのズボンがジャストサイズになりました。内臓脂肪ばかりでなく、それよりも取れにくい皮下脂肪も確実に減少したと感じます。また、私は体質的に体の各所に脂肪の塊ができるのですが、この塊も確実に小さくなりました。しかしながら、一番気にしていた下っ腹のポッコリ感が完全になくなったと言える状態にはならず、体重が減ったからといって満足できておりませんでした。これに対するヒントも「ためしてガッテン」が授けてくれました。

筋力トレーニング

 若いころと比べて体重が増えていないにもかかわらず、中年になって体の線が崩れるのは、筋肉中に脂肪が蓄積されて「霜降り肉」状態になり、筋肉が柔らかくなってしまうのが原因なのだそうです。この脂肪は内臓脂肪でも皮下脂肪でもありません。この「霜降り肉」を「赤身の肉」に改善するには、筋力トレーニングが有効とのことでした。

 体脂肪を燃焼させるためにはプロテインが必要で、私の場合、速足ウォーキングにより筋肉からこのプロテインが流出し、脂肪とともに筋肉量も落ちてしまったように感じておりました。そこでリバウンドしない基礎代謝の高い体作りのため、この筋トレを始めることにしたのですが、筋トレは寝たきりにならない、この世を去る直前まで動き続ける体作りにも効果的です。筋トレは中高年にこそ相応しいのではないでしょうか。

 早速ダンベル/バーベルを購入しましたが、ダンベル/バーベルを使った筋トレは、下手をすると体を痛めてしまう恐れがありますので、図書館から関連する本を数冊借り出し、筋トレの基礎知識を得てから始めました。筋トレを開始してわかったのですが、ダンベル/バーベルでは鍛えにくい筋肉があります。そこで若いころに購入した「ブルワーカー」というトレーニング器具を思い出し、物置から出してきて併用しています。すべての運動にダンベル/バーベルを使うわけではありませんので、これから筋トレを始める方は、フィットネス・クラブなどに置いてあるトレーニングマシンの方が、体の各所の筋肉を満遍なく鍛えるのに効果的かもしれません。

 筋トレは顔をしかめることが多いのですが、これは顔面の筋肉を鍛える効果があるように感じます。顔面の筋肉がたるんでくると老人顔になってしまいますが、年齢を重ねても見た目の若々しさを維持することに効果的です。

 筋トレは翌日に筋肉痛が出る程度の強度で行っておりますが、1時間を超えるような筋トレは過度だそうで、1時間程度で終わるようにしております。これも「ためしてガッテン」で知ったのですが、負荷は小さくとも動作をゆっくり行うスロー筋トレが効果的なのだそうです。私は欲張りなので、負荷をかなり掛けながら動作をスローで行う筋トレ方法を採用しております。筋トレを始めて1カ月経過しましたが、下っ腹のポッコリ感がだいぶ改善されてきました。

 筋トレは有酸素運動のウォーキングよりはるかに息がはずみます。また、筋トレ後に風呂に入りますが、体を洗うために腕を使うのが嫌になるような体の「けだるさ」を覚えます。従いまして、PCを使った文書打ち込みなどの細かい手作業は、筋トレ直後はしばらくやる気が起きませんので、筋トレを行う時間帯は十分に検討しましょう。

有酸素運動と無酸素運動

 現在は有酸素運動の速足ウォーキングと無酸素運動の筋トレを1日おきに行っております。筋トレを始めたころは「上半身の筋トレ+ウォーキング」、「下半身の筋トレ+ウォーキング」を1日おきに行っていたのですが、上半身と下半身の筋トレを完全に分割して行うことはなかなか難しく、また筋トレと有酸素運動の連続運動についてもその効果に議論があることが分かり、筋トレとウォーキングを別の日に行うことにしました。筋トレで負荷のかかった筋肉の回復には48時間必要ですので、筋トレは毎日ではなく、1日おきにするのが効果的です。

プロテインの摂取

 筋力トレーニングを行うと筋肉線維が一旦破壊され、それが修復される段階で大きな負荷に耐えられるように筋肉量が増大、筋力アップしていきます。その際にプロテイン(タンパク質)が必要になりますが、筋肉増大用に食事だけで必要なプロテインを摂取することは難しいようです。一流アスリートはほとんど例外なく、食事とは別個にプロテインを摂取しています。

 プロテインにはホエイ、カゼイン、ソイ(大豆)、エッグ(卵)と種類があり、ホエイとカゼインは牛乳から抽出されます。この中で、とても消化・吸収されやすい(1~2時間で血中にアミノ酸として取り込まれる)といわれているホエイプロテインが筋トレ用として現在の主流です。

 プロテインの摂取タイミングですが、インターネットで調べると諸説あるようです。筋肉修復には筋トレ直後にプロテインを摂取するのが一番良さそうです。また、睡眠中にも成長ホルモンが盛んに分泌され、プロテインの消化に必要な時間を考慮し、睡眠につく2時間くらい前にプロテインを摂取するのも効果的のようです。プロテインは体が一度に吸収できる量に限度(40g程度)があり、その限度を超えるプロテインは排せつされてしまいます。私は筋トレ直後にプロテイン換算で約20g、それに加えて22時30分ごろに牛乳を200CC飲むことにしました。また、有酸素運動のウォーキングをする日は、当初アミノ酸を多く含むVAAM(商品名)を飲んでおりましたが、筋トレを併用するようになってからは、ウォーキングの1時間ほど前にプロテインを脂肪燃焼用に摂取することにしました。

 私の筋トレの目的は、ボディビルダーのように見せる筋肉を作ることではなく、一流アスリートのようにライバルと競争することでもなく、単に引き締まった俊敏な「赤身の筋肉」を得ることです。ウォーキングや筋トレを始める前は、普通の食事だけで必要なプロテインが補給されていたはずなので、プロテインメーカーの推奨する1日に3回も摂取するようなことは必要ないのではないかと考えております。

体重等のモニタリング

 タニタの体重計で内臓脂肪レベル、体脂肪率、筋肉量、基礎代謝などをモニターしていますが、運動の効果を数値で把握することは大変励みになり、運動継続のモチベーションとなります。ビジネスでもそうですが、モニタリングの結果をフィードバックするのは、減量や筋トレにとても効果的です。この体重計は体内の電気抵抗などをベースに上述の指標を割り出しているのでしょうから、一時的に太くなった筋肉や発生した乳酸等により影響を受けるようで、筋トレ直後の計測は異常値が出やすいということに気付きました。

ストレッチング

 以前は1kgのダンベルを両手に持ってラジオ体操を毎朝行ない、その後、腕立て伏せ、腹筋運動(実は方法があまり効果的でなかったようです)、スクワットを行っていましたが、筋トレを始めてからは、朝はラジオ体操とストレッチングに変更しました。

 これまた「ためしてガッテン」からの情報なのですが、ストレッチングは「老化防止」どころか「若返り」の効果があるのだそうです。これが本当なら、ストレッチングをやらざるを得ません。

 ストレッチングは体の末端から開始し、徐々に体の中心部分(胴体)へと進めていくのが基本で、足首や手首から始めることになります。硬くなった体は怪我をしやすいと外科の医者に言われたこともありますので、ストレッチングで体を柔らかくし、怪我を防止しましょう。筋トレ前も事故防止のため、事前にストレッチングをしましょう。怪我をすると仕事や私生活に影響が出ますし、運動できなくなりますので、体力も落ちてしまいます。

トレーニングギア

 運動用のウォーカーですが、私の父は自分の力でベルトを動かすタイプのものを持っておりました。父は購入直後に使わなくなりましたし、私も試しましたが、安物買いの銭失いであり、絶対にお勧めできません。また、2万円前後の電動ウォーカーもありますが、使われているモーターに余力がなく、モーターの加熱により連続して30分間程度しか使えないものがあります。私の電動ウォーカーはランナーとしても使えるもので、モーターに余力がありますが、それでも1時間使った後はモーターが相当熱くなります。歩行に使えるベルトの長さも100cm程度では身長の高い方には十分ではないと思います。脈拍の測定機能もほしいものです。電動ウォーカーを購入の際は、このような点に注意して機種選びをしましょう。フィットネス・クラブに置いてあるような本格的な電動ウォーカーは高価なのでしょうが、理想的な機能や性能、耐久性を持っているようです。電動ウォーカーの問題はその置き場所です。家庭で使う電動ウォーカーは、使わないときにたためてコンパクトになるものが相応しいと感じます。

 ダンベルはカチャカチャ音がしないように、ウェイトがラバーでカバーされたものをヤフオクで安価に購入しました。15kgの2本セットを購入しましたが、現在の私にとっては15kgはまだ重過ぎで、最大でも10kg程度で利用しております。後のウェイト追加購入ということがないように、15kgのものを選択しました。始めてから日増しに筋力の増大は実感しており、いつかは15kgのダンベルをラクラク使えるようになる日を待ち望んでおります。購入したダンベルのラバーで覆われたウェイト表面には薄くグリスが付いており、アルコールで拭いて落としましたが、しばらくは「べた付き」感が残りました。ゴム臭さもまだ残っております。一般の運動具店で販売されている高級なダンベルはこのようなことがないのかも知れません。

 スクワットなどの運動時に、ダンベルのウェイトを使ってバーベルとしても利用できるように、バーベル・シャフトだけ追加購入しました。ダンベルのウェイトを利用するためには、ダンベル・シャフトと同じ直径のバーベル・シャフトを購入する必要があります。25mm径と28mm径があるようですので、注意しましょう。

 ダンベルの重さはウェイトの組み合わせで調整できます。当初は各運動とも5~10回程度できるような重さに都度調整しておりましたが、調整に要する時間が予想外に多く、無駄に感じました。現在は途中で5kgから10kgに1回調整するだけとし、細かな調整をしない代わりに運動の回数で調整することにしました。筋トレを始めると、シットアップベンチや床に敷くマットも欲しくなります。

その他

 電動ウォーカーでウォーキングするときは、留守録画したTV番組や自己啓発用の視聴覚教材等を流して、時間を有効活用しております。しかし、筋トレ時はTVや視聴覚教材に集中できませんので、その時に人気のある音楽やニュースを流したりしております。ウォーキング、筋トレとも1時間行っているのですが、他に何もしないのは退屈ですし、時間がもったいないと感じます。

 休日は夕食前にウォーキングや筋トレを行いますが、平日は夕食後しばらくの食休みのあとに行うことが多いです。今のところ食後に行う弊害は特に感じておりません。食後に行う弊害として少々心配なのは、食事に含まれるたんぱく質と別途摂取するプロテインの合計が1回で消化できるプロテインの限度量を超えることです。ホエイ・プロテインの1回の摂取量を20gにしているのは、この問題をクリアするためでした。

 体重が落ちてから冬を迎えようとしておりますが、以前に比べて間違いなく「寒がり」になりました。私は元来寒さに強かったのですが、体の保温に役だっていた脂肪が減少したために、このような体質に変わったのではないかと思います。西洋人はかなり寒い日でもTシャツ1枚の人がいますが、これは筋肉量が多く体の発熱が大きいのがその理由で、寒さに強い体質なのだそうです。私も筋トレで筋肉量を増やし、また寒さに強い体質に戻りたいです。

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