国際会計基準(IFRS)対応支援

 内部統制(J-SOX)対応が一段落した企業の次の重大関心事は、国際会計基準(国際財務報告基準:IFRS)対応ではないでしょうか。

 人口減少によるマーケットの縮小が懸念される日本にあって、さらなる成長を目指す企業にとって事業のグローバル化は不可欠であり、製品の海外輸出 → 海外生産 → 必要な資金の海外調達 と進展していきます。また、国内産業に対しても海外からの投資資金は流れ込んできており、海外投資家の株式持分割合が予想外に高い国内企業も出てきております。このような企業は海外投資家から共通の会計基準で、海外の他企業と比較できる業績開示が求められます。ここで頭角を現してきたのがIFRSというわけです。先進国のなかで日本はIFRSの採用が最も遅れてしまいました。成長著しい新興国の多くも日本より積極的にIFRS対応に動いております。

 その日本でも2010年3月期から一定の条件を具備する企業はIFRSに従った財務報告が許容されることになり、2015年もしくは2016年には上場企業に対して強制適用開始になると予想されています。強制適用はまだ先の話と考えがちですが、2011年までに日本の会計基準もIFRSに合わせた改訂が頻繁になされますし(コンバージェンス)、2015年強制適用ということになりますと、IFRSに準拠した2013年3月末の財政状態計算書(従来の貸借対照表に相当)が求められますので(初度適用基準)、会計基準の差異調査、インパクト分析、会計方針の策定と監査法人との協議、新会計方針を反映した経理マニュアルの作成・周知徹底(海外子会社を含む)、業務プロセスの変更とそれに伴う内部統制の見直し、新規システム開発・既存システム改修を含む対応作業に時間的余裕が乏しくなってきております。

 IFRSは日本の会計基準が採用する細かな実務的ルールまで定める細則主義ではなく、原則主義が採用されておりますので、企業自らがその企業の実態に即した会計方針を定め、経理マニュアルに反映させて、企業グループ内に周知徹底させる必要があります。この会計方針は単に定めれば済むものではなく、過去の実績等を根拠に監査法人が得心のいくものでなければなりません。IFRSの先行適用を検討中の企業では、この根拠付けに必要な過去のデータの不足に悩まされている企業が少なくありません。特に連結対象子会社を多く持つ企業では、この問題への対応に苦慮する企業が続出すると推測されます。

 システム関連作業については企業の置かれている状況や経営方針により、対応方法に違いが出てきます。IFRS対応に際し、欧州の上場企業の多くで採用された「単なる制度対応」ととらえる場合、新規システム導入・既存システム改修は必要最小限のもので済ませますが、IFRS対応を千載一遇のチャンスととらえてグループ経営の効率性・有効性を向上させようとする場合は、グループ企業全体の業務プロセス改革、それに伴う新規システム導入・既存システム改修に対する投資規模は大きくなります。

 企業の成績表である財務報告の作成・表示方法が変更されるのですから、各種経営評価指標の継続性や判断基準、さらに遡って企業戦略や経営方針の見直しも視野に入れる企業が出てきても不思議ではありません。


・IFRSに関する疑問について、即答できる専門家がいたら便利だと思いませんか。

・ムービングターゲットと言われるIFRSの最新動向を熟知している専門家がいたら、手戻り作業が防止できると思いませんか。

・IFRS対応プロジェクトの初期段階から、業務プロセスやITシステムへの影響を見通せる専門家がいたら、プロジェクトが円滑に進むと思いませんか。

・採用する会計方針の根拠を、データベースに蓄積されている過去実績データから的確に抽出(データマイニング)できる専門家がいたら、監査法人との協議がスムースに運ぶと思いませんか。

・決定した会計方針に基づく会計マニュアルの海外展開に際し、英文マニュアルを自社内で作成できる専門家がいたら、時間短縮できると思いませんか。

・IFRS採用に伴う業務プロセス変更に関して、新たなリスクの発生、既存リスクの変更に対する内部統制の見直しを確実にできたる専門家がいたら安心だと思いませんか。

・IFRS採用に伴う会計システム、販売管理システム、固定資産管理システムを代表とする複数のシステム導入・改修に関して、自社のIFRS対応方針に沿ったシステム対応を計画できる専門家がいたら、コストを抑えられると思いませんか。

・経理部が中心となるIFRS対応プロジェクトで、プロジェクト管理に精通した専門家が経理部にいれば助かると思いませんか。

 これまでIFRSの情報収集をしていた企業の多くが、2010年後半から具体的なIFRS対応プロジェクトを立ち上げ始めました。弊社では企業の対応方針を尊重し、その対応方針を最も経済的に実現するため、監査法人やITベンダーから独立したマルチプレーヤーのコンサルタントとして、あるいはプロジェクトメンバーの一員として、IFRS対応プロジェクトをご支援させていただきます。