1-2. モーターホームの魅力
前述のように魅力あふれるアイスフィールド・パークウェーであるが、ここには公共の鉄道や路線バスといった交通機関はなく、観光バスやレンタカーに頼らざるを得ない。
観光バスは観光ポイントを効率よく回れるが、天候などお構いなしで動き回る。後に述べるがアイスフィールド・パークウェーで雨に降られたら、雪を懐く岩山などの景観は全くといっていいほど楽しめない。私はこの天候のおかげでアイスフィールド・パークウェーを1往復半する羽目になった。山岳地帯の天候は変わりやすく、予想しづらい。天候を無視して行動する観光バスは適当な移動手段ではなくなる。
一方のレンタカーはどうであろうか。マイペースで観光できることはできる。しかし、宿泊設備には予約を入れているであろうから、この予約に縛られてしまう。しかもアイスフィールド・パークウェーでは一般の宿泊設備はバンフ、ジャスパー、レイクルイーズに限定されてしまう。特に夏の期間はホテルも満室の場合が多く、飛び込みで宿泊することは難しい。
そこで出てくる解決策がモーターホームである。モーターホームでは天候に合わせて、自分が出発したいときに出発すればよい。特にまだ小さい子供と一緒に旅行する方々にとってはありがたい。宿泊するキャンプ場もアイスフィールド・パークウェーに点在している。午後の早い時間に到着すればピークシーズンでも予約なしで入場できる。たとえ設備の整ったキャンプ場が満杯でも、そのようなあふれたキャンパーがキャンプできる広場がこの道沿いにいくつか設けられている。あの大きなモーターホームを運転することに不安を持たれる方がいらっしゃると思うが、心配は無用だ。少なくとも都市部の狭い道路を走る場合を除いて、大きなボディーを持て余すことはない。それほど道路や駐車場は広いのである。
24時間自然と付き合えるのもモーターホームの魅力である。ホテルに入ってしまったら、自然とはお別れである。モーターホームの場合は違う。夜間外に出れば輝くばかりの星空を楽しめるし、夜行性の動物に会えるかもしれない。
ホテルに入ったら偶然隣部屋になった見知らぬ外国人と自然な形で会話が始まることは少ない。しかし、キャンプ場では自然に会話が始まりやすい。外国で現地の人やほかの外国人と親しくなったりすると、お土産話が豊富となり、また自分の思い出も深まる。
昨今の日本におけるオートキャンプブームはすさまじいものがあるが、子供が小学生の高学年や中学生になったりすると、キャンプをやめてしまうファミリーが多い。子供がある程度大きくなってくると親離れすることはやむを得ないし、一面で当然のことと思う。そのようになったら親は親だけで、子供は子供同士でキャンプを楽しめたらよいと常々感じている。キャンプの歴史が日本に比べてはるかに長い欧米では、このように老若男女がキャンプを楽しんでいるのである。キャンプの楽しみ方は人それぞれであろうが、息の長いキャンプの楽しみ方を知っている欧米人から、一つのキャンプスタイルを学ぶのも有意義なことである。