4-2. サマーランド
6月29日(木)
今日は待望のカナディアン・ロッキーに向けて出発である。バンフまでの半分くらいまでは進みたい。一応サマーランドを今日の目的地にするつもりで出発した。道中はずっと高速道路であるので、車の大きさを感じないで済むのは気が楽である。
高速道路を100km/h位の速度で進むが、なかなかカナダらしい景色になってこない。単なる丘陵地帯という感じである。
夕方5時頃サマーランドキャンプ場に到着した。ここは湖畔のキャンプ場であり、フルフックアップできる。5時とはいえ、まだまだ明るいので、洗濯をして乾燥機にかけている間に、キャンプ場内を散歩してみた。その時に気付いたのであるが、トレーラを移動などできないようにしてしまっている人々がいる。しかもその数は少なくない。散歩の途中でオーナー兼管理人に出会ったので、話を聞いてみた。
サマーランドのRVパークでは、サイトの3分の1程度に人が住み着いてしまっている。その多くは引退後の老人たちである。これには訳がある。医療費等の高騰により家を売らざるを得なくなった引退後の老人たちは、就労していないのでそれによる収入がなく、一旦家を売ると二度と家を買うことはできない。そのような人々が家に比べて安価なトレーラを買って住み着いてしまったのだそうである。キャンプサイトのオーナーにとっても一面でメリットがある。カナダの冬は厳しく、冬季キャンプに来る物好きはほとんどいない。このような定住者はオフシーズンでもサイト使用料を払ってくれ、収入の安定をもたらしてくれるのである。このキャンプ場のオーナーは、冬季はアルバイトの女の子に仕事を任せ、自分はメキシコに遊びに行くのだそうである。
サイトの住人たちはトレーラの下部を板で覆い(防寒対策?、収納スペース?)、出入り口にはベランダまで作って花を飾っている。
住人の中に若い家族がいた。彼らには私の子供たちと同年代の二人の女の子がいた。このようなキャンプ場に住んでいると同年代の友達がほとんどいないらしく、人懐こく私たちによってきた。私の娘は言葉が解らないにもかかわらず、物おじしない性格なので、すぐに友達になって遊びだした。しかし、言葉が解らないので、あまり長続きしない。そこで、日本から持参した塗り絵や迷路などのパズルの本を出してあげたら、夕食に呼ばれるまで仲良く遊んでいた(写真4-2、4-3)。
サマーランドは日本で見たモーターホームによる旅のパンフレットに、一例として出ていた周遊ルートに紹介されていたところである。ここへ行くにはバンフへの道を少し反対方向に走ることになってしまう。その印象は遠回りをしてまで行くほどのことはない町、キャンプ場というものであった。ほかにもキャンプ場はたくさんあるので、ルート上もっと便利はところのキャンプ場があれば、そちらを利用すればよい。