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レンタル・モーターホームで行く カナディアンロッキーの旅

4-6. 再びバンクーバー
7月6日(木)
明日の午前中にモーターホームを返却しなければならないので、今日中にバンクーバに戻っておきたかった。クリア・ウォータからであれば、そんなに無理をしなくても消化できる距離であるが、余裕を見て朝早くキャンプ場を発つことにした。結局2時ごろにモーターホームで初日を過ごしたバンクーバのCAPILANO RV PARKに到着できた。

先日滞在したときはまだ6月であったので、それほど混雑しているという印象はなかったものの、今回はピークシーズンの7月になっており、まだ2時だというのに満車状態に近くなっている。もう2時間も到着が遅れたら、ここには入れなかったかもしれない。

チェックインした後、スタンレー・パーク見物に出かけることにした。モーターホームを借り出した初日に、このRV PARKを探している際、迷って入り込んでしまったところである。都市部ではいつも駐車場に悩むRVであるが、ここはRV専用の駐車スペースが確保されている。一般車の駐車場より水族館から遠いことが難点であるが、大きな車を悩まずに駐車できることは何よりである。

平日にもかかわらず結構な人出である、ということぐらいしか私は覚えていない。というのは、最後の最後に、この公園で大事件が起きてしまったのである。この公園の中の水族館にはシャチが曲芸を披露する場所があり、ここで次のステージを待っている間に事件は起きた。このシャチの曲芸をする水槽は、その周りを観客席が座る石段で囲われている。ここを息子が走り回っていて、私の目の前で足を踏み外し、転んでしまったのである。その際、息子は顔をしこたまこの石段にぶつけ、私の耳に鈍いいやな感じのする音が聞こえた。ちょうどそのとき私はビデオをまわしていたので、このビデオには私とワイフの「あっ」という声が収録されている。息子は激しく泣き出し、右目横には深い傷がパックリと口を開け、血が流れ始めていた。それを見た私は幾分気が遠くなるのを感じながらも、急いで救急処置をしてもらいに入り口近くの建物に子供を抱いて走った。止血処置をしてもらっている間に、子供は泣きやんだが、私はエアコンの吹き出し口の前で冷たい風にあたり続けていたせいもあり、気分が悪くなってその場に座り込んでしまった。この時、ワイフも同じように座り込む寸前であったということである。

幾分気分が落ち着いたところで、応急処置をしてくれた女性は、すぐに病院に行くように病院の場所を教えてくれた。この女性の係員は私とワイフのことも心配してくれて、駐車してある車まで送ってくれようとする。建物を出たところで私はほぼ正気を取り戻していたので、見送りを辞退し、教えてもらった病院にモーターホームで行くことにした。

病院近くまでたどり着いたものの、駐車できるスペースが見つからない。やむなくすぐ近くの教会のような建物の裏にある駐車場に無理して駐車させてもらうことにした(見つかったら文句は言われそうである)。

病院はあいにく通常の診察時間を終了した後であり、救急扱いになるという。この病院の救急扱いは非常に料金がかかるので、近くの別の医者も紹介してくれた。しかし、またあの大きなモーターホームで医者を探し、さらに駐車場まで探さなければならないことを考えると、少々料金が高かろうともこの病院の救急医療を受ける方がいいと判断した。旅行保険に加入していることもあり、ここでの料金は保険でカバーできるとも考えた。

診断を受け、傷口を消毒して麻酔をし、傷口を縫う手術に私が立ち会うことになった。情けないことに私はこの手術の間、またしても気分が悪くなってしまった。自分の子供がこんな怪我をしたのは初めてであり、しかもそれが外国であったこともあるので、英語でのやりとりに私自身も相当緊張し、精神的ショックを受けたのだと思う。

手術が終わり、保険金請求用の書類を書いてもらって、医療費の立て替え払いをし、RV PARKに戻ってきたときは本当に疲れ果てていた。娘の風邪で医者にかかったときは心の準備もできていたので、それほど緊張することもなかったが、突発的に起きる事故の場合は本当に強いストレスを受けるようである。今日は本当に疲れる1日であった。息子の右目横にはこの時の傷跡がまだ消えずに残っているが、それを見るたびに私は二度とあのような経験はしたくないと思うのである。

7月7日(金)
今日はモーターホームをレンタル会社に返却する日である。午前中に返せばよいのであまり急ぐ必要はない。しかし、朝の行動開始が早いほど、1日が有意義に過ごせる。早めにモーターホームを返却し、バンクーバのダウンタウンでお土産を買いに繰り出すことにした。レンタル会社のある空港近くまで来たものの、そのモータープールの場所が見つからず、道に迷ってしまった。途中2回ほど人に道を聞きながらやっとレンタル会社にたどり着いたが、すでに10時近かった。

事務所に行ったらドイツ人の先客がいて、何やら揉めている。途中、エアコンが壊れて修理をしたが、その修理代金の負担に関してもめているのであった。結局3分の2をレンタル会社が負担することで折り合いがついたようである。「私も何か追加料金を請求されたらがんばるぞ」という気分になってしまった。私の場合、1日当たりの走行距離が大幅に超過していたので、その分の料金を請求された。これは覚悟していたが、それ以外は車体の損傷チェックでも特にコメントは付かず、レンタル会社側の料金計算ミスを指摘したぐらいで、返却手続きはスムースに済んでしまった。

預けていたスーツケースを自分で倉庫から出してきて荷物を詰め込み、タクシーを呼んでもらって予約していたホテル・バンクーバに向かった。タクシー料金はクレジットカードで払ったが、これが後で役に立つとは考えてもいなかった。

予約していたホテル・バンクーバには11時過ぎに着いてしまい、チェックインはできたものの、部屋にはまだ入れない。荷物だけ預かってもらい、昼食のレストランを探しがてら土産を物色しに街に出ていくことにした。久しぶりにおいしいパスタ料理が食べたくなったので、イタリア料理店に入ることにした。それほど高級なレストランではなかったが、パスタは美味しかったし、日本人のウェートレスにいろいろカナダの話を聞くことができた。カナダにはワーキングホリデーという制度があり、一定の年齢までの若い人にカナダで働く機会を与えている。このウェートレスはこのワーキングホリデーを利用して、英語の勉強をしているのだそうである。この女性に近隣の比較的大きな書店を教えてもらった。私はモーターホーム関係の雑誌や書籍を自らのお土産にしたかったのである。しかし、教えてもらった書店に行っても、残念ながらこの関係の本は扱っていなかった。

両親、兄弟、友人へのお土産を買った後、ホテルの部屋に入れたが、部屋に入ると息子がバンフで買った自分用のお土産のキーホルダーをタクシーの中にカバンごと忘れたと言い出した。レンタル会社からホテルまで乗ったタクシーである。よほど気に入ったキーホルダーだったらしく、諦めきれないという。タクシー代はクレジットカードで払ったことを思い出し、そのレシートを見たらタクシー会社の電話番号とタクシー番号が書いてあった。息子に、タクシー会社に探してもらっても見つからなかったら諦めるように諭し、早速タクシー会社に電話してみることにした。電話の応対に出た係員に事情を話して、タクシー無線で後部座席に落ちていないか確かめてもらうことにした。暫くしてタクシー会社から電話があり、残念ながら息子のお気に入りのキーホルダーの入ったカバンは見つからなかったが、タクシー料金をクレジットカードで支払うと、このようなトラブルでも解決できる可能性があることを知ることができた。

息子はこめかみに3針縫う怪我をしたが、日本だったら毎日消毒に来るように医者に言われるところである。しかし、ここカナダの病院ではそのようなことは言われなかった。心配した私は旅行保険会社の現地サービスセンターに電話で問い合わせることにした(日本語OK)。このサービスセンターでは日本語の話せる医者を探してくれて電話で話すことができた。その医者はカナダではなく、米国在住の医者であり、親切にいろいろ話を聞かせてくれた。日本の医者は一般的に過剰処置をする傾向にあり、欧米では息子のような怪我の程度では毎日消毒に来るようにとは言わないそうである。破傷風の感染だけが懸念材料であるが、心配であったら薬局で処方箋なしで買える消毒薬をつけなさいとアドバイスしてくれた。このようなサービスを準備している旅行保険に加入しておいてよかったとこのとき感じた次第である。