4-5. クリアウォータ
7月5日(水)
バンフに1日余計に滞在し、しかも後戻りしていることになるので、今日はかなり距離を稼がなくてはならない。バンフのキャンプ場を朝早く出発することにした。マリーン・レイクにも立ち寄りたかったので、今日はかなりの強行軍になる。
途中燃料タンクが寂しくなってきたので、コロンビア大氷原のガソリンスタンドで燃料補給するつもりでいた。しかし、そこには軽油は置いていなかった。正確には非常用の軽油が少量ストックされているが高価だという。ジャスパーまで燃料が持ちそうであれば、そちらで補給することを薦められた。まだ余裕があったので、無補給のまま、ジャスパーに向けて道を急いだ。マリーン・レイクに行く道はジャスパーのダウンタウンを通らない。適当なガソリンスタンドが見つからないまま、マリーン・レイクへの道に入ってしまった。途中他にもガソリンスタンドはあるだろうとたかをくくっていたのが間違いだった。マリーン・レイクに到着してもガソリンスタンドを見つけることはできなかった。この後、ジャスパーに戻るまでの道中、ずーっと燃料切れの心配をする羽目になってしまった。
マリーン・レイクであの有名な景色を見るためには、ボートツアーに参加しなければならない。1時間ほどのツアーであるが、時間的に余裕があれば、ぜひ参加することを薦める。バンフでは見かけた日本人もここまではあまり足を延ばさない。マリーン・レイクでは一人も日本人を見かけなかった。ボートツアーは30分程度の間隔で出ており、私の利用した船は存在感のあるお姉さん2人(運転手とガイド)で運行されていた(写真4-27)。あいにく時々小雨が降る天候であり、青空にクッキリと浮かび上がる山岳風景は望めなかったが、湖の中にある島に上陸することができ、ここからガイドブックで有名は風景を楽しむことができた(写真4-28)。
燃料切れに神経をすり減らしながら、やっとのことでジャスパーに到着した。ここで燃料補給と今晩の食料を買い出して、バンクーバを目指しできる限り先を急ぐことにした。本来なら、ここジャスパーに滞在する予定であったので、それができなくなり、とても残念である。途中で1時間の時差のあるタイムゾーンの変更があったので、クリアウォータのキャンプ場には7時に到着することができた。このキャンプ場は最初から滞在する予定でいたわけではなかったが、宿に入る時間帯に通りかかったので、利用してみることにした。
ここはまだできたて(実際は建設途中)のRVパークであり、とてもきれいである。昔の農耕用自動車を子供の遊び道具に利用したり、中央に池を配して水遊びができるようにしたり、レストランまで併設するほど設備が良い。
このRVパークは道路沿いに設けられている立て看板で見つけた。道路を走っていると「TRAVEL INFO」という道路サインを見かける。最初、これは人が常駐してサービスしているインフォメーションセンターがあるものと理解していた。しかし、観光資源のないようなどんなに小さい町の入り口にも、たいていこの道路サインがある。暫くして気付いたのであるが、この道路標識の後、モーテルやレストランの立て看板がまとめて出てくるのである。この立て看板群のことを「TRAVEL INFO」と呼ぶようである。